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能登半島地震被災者支援 活動報告
ハビタット・ジャパンは、日本国内で大規模な災害が発生した場合、ボランティアの派遣を中心とした支援活動を行う方針をとっており、3月25日に発生した能登半島地震の際には職員2名、学生ボランティア2名を現地へ派遣し支援活動をおこないました。以下はその活動報告です。
地震の概要(気象庁)
(1) 発生日時: 2007年3月25日 9時42分頃
(2) 震源地: 能登半島沖
(3) 震源の深さ: 11km
(4) 規 模: マグニチュード6.9
(5) 震度6強: 石川県七尾市、輪島市、穴水町
震度6弱: 石川県志賀町、中能登町、能登町
家屋の被害
現地活動
3月31日(土)
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所感
局地的に建物が倒壊しているが、地震の規模に比べると、被害は少なく済んでいるように感じた。また被災者は不便な生活をしてはいるが、訪問した時点では物資なども足りており、避難所も予想よりも円滑に機能していた。マスコミは被害がひどい地域や困っている人ばかりを取り上げるため、実際より状況が悪い印象を与える。
ボランティアの数は多いが、受入側のキャパシティの問題もあり、一定の数以上は受入が難しいように思う。
阪神大震災などの時と異なり、局地的な被害であったため、行政が機能しやすい状態にあり、ボランティアなども行政(と社会福祉協議会)で一元化して管理するシステムをとっていた。ここに自衛隊、町内会、学校、青年会議所、県内や北陸のNPO、これまでの震災の支援を通してこれらと太いパイプのある団体などが加わって活動をおこない、一定の成果を上げていたように思う。ただし、障害者や外国人などの弱者については、対応が遅れていた。またボランティア団体が独自に(勝手に)活動していたりするケースも多く、行政側も十分に把握していないようだった。
今後、国内の災害支援をしていくのであれば、行政や社会福祉協議会、それにこれまで行政と協力して実績を上げている団体やそのネットワークとの関係を強化していく必要がある。
4月1日(日)
| 10:00 | 七尾市役所で被害状況などを聞く。対策窓口のようなところに総務の職員がおり、対応にあたっていたが、訪れる人の数はあまり多くなかった。被害の状況などについても、HPに出ている以上の話はなく、ボランティア派遣についても、市の社会福祉協議会(兼ボランティアセンター)に電話して聞いているようだった。 |
| 13:00 | 七尾市の社会福祉協議会に行き、地域福祉課長の藤野彰恵さんに面会。HFHJの説明をし、本題に入る。なお被害については七尾市のHPにあるとおりなので割愛する。彼からの説明と三村からの返答は以下の通り。 |
◆ ボランティアのニーズ
ボランティアの依頼は30件ほどあったが、既に市内のボランティアで対応済み。現在人手が必要なものは、専門家に任せなければならないようなものが多い。ただし状態が落ち着いてから、またボランティアの新たなニーズが出てくる可能性はある(壊れたブロックを運ぶなど)。市内のボランティア(高校生と高齢者が多い)で対応できないところがでてくれば、サポートをお願いしたい。現在はどこも手一杯なので、長期的かつ柔軟に対応してもらえれば助かる。
→こちらとしてもそのような支援をしていきたいと思っているので、落ち着いた頃にニーズが分かれば連絡して欲しい。
◆ 建築専門家のニーズ
住宅の強度を診断できる専門家がいてくれれば助かる。ただし業者と軋轢があるので、あまり大々的にはできない。現在は人手が足りていないため、被災者を待たせてしまっており、家の中に入っていいのか、このままに住み続けられるのか、といったことがまだ分からないままになっている世帯もある。また罹災証明を出すまでに時間がかかっており、取り壊しができないまま、宙ぶらりんになっている世帯もある。
→協力してくれそうな団体があるかもしれないので、東京の事務所と相談し、あらためてご連絡させていただく。
なお藤野さんの連絡先は以下の通り。
社会福祉法人 七尾市社会福祉協議会
地域福祉課長 藤野彰恵
〒926-8550 石川県七尾市本府中町ヲ部38番地(七尾サンライフプラザ1F)
電話:0767-52-2099 ファックス:0767-53-4100
4月2日(月)
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4月3日(火)
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4月4日(水)
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所感
| ・ | 自宅に残っている人のほうが実はシビアな状態にいる可能性がある。病人がいたりする場合、避難所には行かず、不自由を覚悟で自宅に残られる方もいるのではとのこと。行政でも1軒ずつ電話をして様子を聞いたり、相談に乗ったりしているが、それでは不十分だとも感じており、対策を考えているようだった。 |
| ・ | 仮設住宅は被災した方が住んでいる地域につくることになっているため、コミュニティを離れずに済むようである。当初は仮設住宅への申込を迷っていたような方が心の整理をつけたためか、申込の数が増えている。 |
| ・ | 避難所やコミュニティのニーズは次の段階に移行しつつある。つまり今後の生活をどうしていくか、というところに焦点が移ってきている。 |
| ・ | 県外からのボランティアは本日で活動を終える方が多い。今後は地元のリソースを活用していく方向になるのかもしれない。 |
4月5日(木)
GV業務と平行して、新聞やテレビなどから以下のような情報を収集をおこなった。
◆ 物資について
過去の災害では救援物資が供給過剰となり、廃棄処分するのに多くの人員と莫大な費用がかかったことから、今回は石川県厚生政策課(076-225-1414)が全国からの救援物資の申し出を一覧表にまとめて災害対策本部へ送り、現地が選んだ物資を送るシステムをとった。ただし、この方法だと物資が現地に届くまでに時間がかかるという問題が起こった。また救援物資が多くなりすぎると、小売店の経営を圧迫する。
◆ ボランティアについて
家の片付けやゴミ処理などの力仕事に、需要がある。また一人暮らしの女性などは男性ばかりのグループより、女性がいるグループのほうが安心する場合も多い。今後は地元のボランティアを活用していく方向にある。
◆ 耕作断念
水田に被害が生じたり、自宅が被災して田植えどころではなくなってしまった世帯もあり、少なくとも25軒の農家が稲の苗のキャンセルをおこなった。5月上旬までに水田が復旧すれば、田植えには間に合う。
◆ 輪島塗
漆を塗るためには、ほこりがない状態で作業しなければならないため、土蔵などを使っていた職人も多いが、土蔵が崩れてしまったため、作業ができなくなっている職人もいる。
◆ 観光
地震後初めて輪島にツアーバスが入った。観光客に来てもらえばそれだけ復興が進むので、自粛しないで訪れて欲しいというのが現地の声。
◆ 多目的施設建設(心のケアハウス)
コマツグループが門前町道下、穴水町大町に建設する仮設住宅の近くに無償で多目的施設建設(心のケアハウス)を建設する。巡回診療所や健康・生活相談会場としての活用を想定している。
◆ 罹災証明
輪島市では罹災証明発行のための調査が一通り済んでいるよう。
今後の活動
以上
能登地震ブルーシート配布同行ボランティア報告書
日程:平成19年4月2日〜4月4日
青山学院SHANTI SHANTI
奥津 日向子
◆ スケジュール
| 2日(月) | 早朝 | 車両借り出し |
| 8:00 | 株式会社サトウ(国立市中2丁目)にてブルーシート受領 | |
| 10:00 | JR三鷹駅で集合 関越自動車道経由で能登半島方面へ | |
| 19:30 | 石川県志賀町到着 | |
| ※宿泊:志賀町民宿「地蔵前」 | ||
| 3日(火) | 6:00 | 宿出発 |
| 8:00 | 輪島ステーション広場にて日本財団・黒澤氏に会う →全壊家屋の片付け手伝い | |
| 11:00 | 輪島市災害ボランティアセンター | |
| 11:30 | 輪島市役所 建物点検相談窓口 | |
| 12:30 | ランチ@輪島 | |
| 13:20 | 三村さんと合流@門前町東小学校 →ブルーシート配布@門前健民体育館 | |
| 14:00 | AJU菅沼さんと合流 →間仕切り、簡易トイレ組み立て作業@西小学校 | |
| ※宿泊:志賀町民宿「地蔵前」 | ||
| 4日(水) | 7:00 | 宿出発 |
| 8:00 | 輪島市東小学校周辺視察 | |
| 10:00 | カトリック輪島教会海の星幼稚園訪問 | |
| 11:00 | 朝市周辺視察 | |
| 12:30 | ボーイスカウト石川県連盟災害支援現地本部訪問 | |
| 13:00 | 現地発 | |
| 深夜 | 東京着 | |
◆ 所感
今回能登の現地へ行き一番感じたこと、それは現場主義の重要性です。
現地へ実際に入って現場で作業をすることや、現場で生活する人たちの話を聞くことの大切さ。データや知識は他で得られても、それ以外の生の声やニーズは現地へ行かないと分からないということ。議論だけで済ますことの無意味さとか危険性。実際に見てから考え、行動するという工程。ボランティアや何かに対する貢献活動など、相手とそのニーズが存在する場合の対応の難しさと現地主義。文書だけでは伝えきれないことが現地にはあるということ。…これらが身をもって感じ、一番考えさせられたことでした。
塚本さんの「何事にも行政のやるべきことと民間がやるべきことがある。各々譲るべき部分もある。」「行政のキャパを理解して分析し、それ以上のことは望まない姿勢を。」という話がとても印象的でした。今までは行政には多くを求め、強く訴えることが大事だと考えていたし、学校の授業でもそう教わった気がします・・でもそれは少し非現実的で非効率なのかもしれないと今思います。こういった災害時だけでなく総括的に日本の行政のスタンスを見たときに、やはり一方的に行政の落ち度を指摘したり、不条理をただ訴えるだけではいけない。積極的な行政への呼びかけや提案をするという、歩み寄りに似たスタンスが大切だと。
また災害ボランティアセンターでの現状を見て、ボランティアコーディネイトの必要性をひしひしと感じました。せっかくの積極的な力を最大限生かせていない現状に歯がゆさを感じ、政府斡旋のボランティアセンターの運営方法も少し違和感を覚えました。実際には現地で人を動かすことが一番重要だと思うし、被災者に一番近い視点から、作業をコーディネートできるような役割が必要。ボランティアサークルという名で活動している私たちのような学生は、そういった仲介点での役割も頑張れば担えるかと思う。何か困っている人やニーズがあったときすぐに、またフレキシブルに動ける姿勢でありたいと思います。ボーイスカウトの現地本部に伺ったときには、ユニフォームの大切さという話を聞いて、突然の災害や事故などの場合に一番大事なのは安心感なのかもしれないと思いました。安心して仕事を頼めるボランティアスタッフとして、デリケートな事情も理解して活動する必要があると思います。逆に、それにはユニフォームひとつでも出来るということも学びました。
何よりも、災害支援に限らず誰かを支援する際に必要なのは、現地視察とそれに伴う体力、観察、ネットワーク、思考、アイディア、行動力であるということを塚本さんを見ていて、また道中いろいろな紛争地などでの体験談を聞いて、そう思いました。特に体力!
実際に行政の運営方法やそれ以外の民間団体の活動を体験しながら、スタッフの方を通じてお話を聞くという、リアルな学びができたと思います。いろいろな視点から考えることもできました。災害支援に限らず、今回の経験を周りにシェアし、次の機会に教訓として生かすことが何よりも大事だと感じます。
こういった貴重な経験をさせていただき、塚本さんはじめハビタットのオフィススタッフの皆様に感謝します。
能登半島地震災害支援3日間を通して
青山学院SHANTI SHANTI
本郷 一紀
今回人生で初めて災害支援というものに携わった。現地では大きく分けて2種類の活動を行った。1つは行政を介して比較的多くの被災者を支援する作業(避難所での簡易トイレの設置作業)、もう1つはNGO(民間)を介した個人の被災者を支援する作業(地震で住めなくなった家から家具や必要なものを取り出す作業)である。
前者の作業場所では特にお年寄りの方が多かったので普段は気にもとめないトイレットペーパーの位置や鍵の設置位置をお年寄りの方の目線で使いやすいよう考えなくてはならなかった。さらに気温が低く人が多く集まる場所での作業であったので風邪やその他のウィルス性の病気が流行っている可能性がありボランティアスタッフも作業後にはよく手を洗いうがいをするなど十分に注意する必要があると感じた。
後者の民家での撤去作業ではその家の家族の方たちと共に作業を行った。土足で入った家の中はまだ生活感が残っていた。慣れ親しんだ家が倒壊しその中から必要なものと思い出の品だけを持ち出す被災者の心境を考えると気分が落ちた。そんなときにこのようなことを言われた、ボランティアスタッフは被災者と第3者の関係でいなければならない、つまりわたしとあなたの関係ではなくわたしと彼、またはわたしと彼らの関係でなければならない。これは医者と患者の関係にも同じことが言えるそうである。被災者と自分を重ね合わせるなどの感情移入をすると支援する人自身の精神になんらかのマイナスの影響が出てくる場合がある。(自分自身も今回そうなりかけたのかもしれない)冷たいようだがボランティア活動を長期的に数多く続けていきたいのなら被災者と第3者の関係になるべきである。
ボランティア活動は肉体的にも強くなくてはならない以上に精神的に強くなくてはできないと改めて感じた。
今までテレビや新聞でしか見たことのない災害であったが直接現場に行かないとわからないことが多いと感じた。ボランティアスタッフは日本国内から多く集まっているが実際人が必要な現場には人が少ないというおかしな現象を見た。ボランティアスタッフを動かす駆動部がうまく動いていないため現場より災害対策部にボランティアスタッフが多く待機しているということが起きてしまう。行政は民間のボランティア団体に危険なことはさせたくない、何かあった場合に責任をとるのは行政だからである。では誰が倒壊した家から家財を取り出すのか、その家の人が自らその活動をしなくてはならない。
危険を警告する張り紙は家に貼ってあるが、その家が直るのか、相談所が市役所に設置してあったが相談しにくる人の姿は見えない。身体の不自由なお年寄りはそこにいくことすらできないため倒壊の危険のある家に住み続けている人もいるそうである。
また災害被害が一番大きかった場所にボランティアスタッフが多く集まるため被害の比較的少ない、しかし支援が必要な場所に支援がこないという問題点もあるようだ。改善するところは多くある。肝心なのは誰がやるかではないだろうか。
今回多くの収穫を得ることができたと感じた。特に行政、民間両方の活動に携われることができたことは貴重な体験であり2つの視点から災害活動を見ることができた。さらには無料でボランティアスタッフに宿泊所を提供していた地元の人たちや遠くから会社を休んで援助活動をしに来ている人たちからは支えあいの大切さを見ることができた。我々若者も負けていられないと感じた。わたしは今後もサークルを巻き込んで日本での災害支援活動を続けていこうと考えている。後輩にも多くのことを経験してもらい知って、考えて問題意識を持ってほしい。実際自分の目で見なければわからないことが多くあるということ、その分できることも多くあること、人は助け合いの上に生きているということ、自分の可能性が広がった3日間であった。
被災者へのご支援・ご協力のお願い
ハビタット・ジャパンでは、この災害の被災者を支援、援助することを目的に、引き続き義援金の受け付けを実施します。寄せられた義援金は、公正、適正に被災者支援のための活動に用いられます。皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。
義援金の振込先は以下の通りです。
【郵便口座】
口座番号:00100-2-278431
口座名義:(特活)HFHジャパン
お振込みの際には、住所、氏名のほか、通信欄に「能登半島地震支援」とお書きください。
【銀行口座】
振込先:三井住友銀行 中野坂上支店
口座 :普通 4180738
口座名義:トクヒ)ハビタット フォー ヒューマニティ ジャパン
お振込みが完了しましたら、お名前やご連絡先、利用用途としての能登半島地震支援金であることを事務局までご連絡ください。
謝辞
今回の能登半島地震で被災された方々への支援協力を呼びかけたところ、現在までに寄せられたご支援は以下の通りです。本当にありがとうございました。寄せられたご支援は公正、適正に被災者支援のための現地での活動に役立たせていただきます。記して感謝の意を表します。(敬称は略させていただきました。前回分までの再掲を含みます。)
【義援金】
| 3月30日 | イエズス会社会司牧センター | 50,000円 |
| 3月31日 | 氏名不詳 | 20,000円 |
| 4月2日 | 伊藤 礼 | 10,000円 |
| 4月2日 | 施 治安 | 3,000円 |
| 4月2日 | 奥谷 浩一 | 10,000円 |
| 4月4日 | 名東キリスト・ルーテル教会 | 20,000円 |
| 4月6日 | 渡久地 晴仁 | 3,000円 |
| 4月11日 | 森嶋 伸夫 | 3,000円 |
| 4月17日 | 小倉 幸子 | 10,000円 |
| 4月17日 | クリストファー・ルース | 10,000円 |
| 5月1日 | 神の家族主イエス・キリスト教会 | 18,460円 |
【物資提供】
| 4月2日 | 株式会社コスモスイニシア(コスモスグループ) | |
| 二次災害防止用ブルーシート | 250枚 |