
アジア太平洋地域での取り組み
アジア太平洋地域全体において、ハビタットは、生活を変革しようとする家族を支援しています。個々の家族、さらにコミュニティ全体とともに働き、適切に建設され、家族を育むための安全で確実な、健康的な場所である住宅を建てています。
しかし生活の脆弱性、とくに社会の周縁で苦闘している者にとっての脆弱性は、この1年を通じて十二分に示されました。インド洋は容赦ない自然の力に見舞われ、2004年12月の大地震と津波によって打ちのめされたコミュニティを残しました。2005年7月には、洪水が西インドのマハラシュトラ(Maharashtra)に破壊と死をもたらしました。2005年10月には、巨大な地震がパキスタン北部の山岳地帯を引き裂き、80,000人近い死亡者を出しました。
これらの惨事のひとつひとつにおいて、主要な犠牲者は貧しい人々でした。加えて、以前は住宅や仕事を持ち、よりよい生活を実現していた何万もの家族が、突如、貧困に陥ってしまったのです。多くの場合において、緊急支援は迅速にやってきました。しかし、住宅やコミュニティ、そして完全な生活の再建プロセスは何年も、おそらく何世代もかかります。
アジア太平洋地域、そして世界のハビタット・フォー・ヒューマニティのコミュニティはこれらの惨事に寛容な心で応え、彼らの資金や時間、知識を提供しました。またハビタットは、この地域の被災地帯においてどのように働けばよいか、何ができて何ができないのか、という理解と経験を積みました。ハビタットは、その独自のアプローチによって、一時的なシェルターを提供する他のNGOや救援グループから際立ちました。
ハビタット・フォー・ヒューマニティはインド洋津波からの1年間で、インド、インドネシア、スリランカ、そしてタイにおいて、何千もの家族が恒久的な住宅を獲得できるよう支援してきました。これからの24ヶ月間で、ハビタット・フォー・ヒューマニティは20,000もの家族に対して直接的な支援を行うことを計画しています。さらに10,000から15,000の家族が、ハビタット・リソース・センター(Habitat Resource Centers)を通じて支援を受けます。リソース・センターは災害軽減サービスや、建設や資材生産に関するトレーニングを提供します。
インド、タミル・ナドゥ(Tamil Nadu)南岸の津波被害を受けたコミュニティの1つであるクタプリ(Kuttapuly)村は、国際ボランティアを受け入れ、8月にハビタットの200,001軒目の住宅を建設しました。この住宅はクタプリで建てられた5軒のうちの1つで、ホームオーナーと地元の熟練労働者、そして7つの国からのボランティアによって建てられました。クタプリでの献呈式は2005年8月15日、ハビタットが200,000軒目の住宅をアメリカ、テネシー州のノックスヴィル(Knoxville)で完成させてから24分後のことでした。
アジア太平洋地域のすべての国、またインドやインドネシア、パキスタン、スリランカ、タイのすべてのコミュニティが今年、災害に苦しめられた、というわけではありません。ハビタットは、最も成功を収めたプログラムを拡張し、また住宅マイクロ・ファイナンスのプログラムを通じて、より貧しいコミュニティにまで活動を届かせることに取り組むことで、新たな希望と、安全できちんとした住宅を、必要とする家族にもたらし続けています。アジア太平洋地域内外で、7,000家族以上がハビタットの直接的な住宅サービスを受けています。これは、前会計年度に比べて40%の増加です。その他数千の家族が、貯蓄プログラムへの参加や、ハビタット・リソース・センターでのトレーニングや雇用の機会を持つことによって、間接的に受益しています。
新たな未来を見据えて、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・インドは意欲的な5年間のイニシアティブである、インディア・ビルズ(India BUILDS)を開始しました。これは住宅建設を増やすとともに、世界第2位の人口を持つこの国から貧困住宅がなくなるという可能性に、他の組織も挑むよう刺激していくものです。このキャンペーンはインド全国で、2010年までに250,000人により良い住宅を提供することを目標としています。インド国内や世界から、100万人のボランティアの熱意やさまざまな資源、才能を動員することを必要とし、また1億USドルの寄付や、現物での寄付を要します。インドの1,8億軒の住居のうち、60%が一時しのぎの、もしくは崩れかけの状態にあると推測されています。インドはその成長し続ける人口に対応するだけで、毎年2500万軒の住宅を新築する必要があります。現在の不足軒数は4100万軒以上です。10月にムンバイ(Mumbai)郊外で予定されている2006年度のジミー・カーター・ワーク・プロジェクト(Jimmy Carter Work Project)はインディアBUILDSの一環として行われます。ムンバイのロータリー・クラブが、このキャンペーンの大使として活動することになりました。
主要な成果
| ・ | 中国でのパートナーシップは成功を収め、2005年秋、中国南部の広東省と広西省の村において最初のハビタットの新築住宅が献呈され、そのいくつかは障害を持つ家族に贈られました。それぞれのプロジェクトにおいて、ハビタットは、「貯蓄と建築」(Save & Build)住宅マイクロ・ファイナンスのプログラムを展開しました。広東省では、政府関連機関である広州障害者連盟(Guangzhou Disabled Person’s Federation)とのパートナーシップを持ち、また広州国際ボランティア海外サービス(Guangzhou International Volunteer Expatriate Service)の支援を受けています。広西省では、州都である南寧市から1時間の郊外にある、ハンセン病療養村に住宅を提供しています。ハンセン病・ミッション・インターナショナル(Leprosy Mission International)と、中国でのビジネスに強い関心を持つヨーロッパの大企業、シーメンスが重要なパートナーシップを通じた支援を提供しています。 |
| ・ | 11月、ハビタット・フォー・ヒューマニティはベトナム南西部のメコン・デルタ地域の3つの村において、33家族に対して第1回の小規模融資を行いました。また、ベトナム政府のパートナーによって実施されているプロジェクトに対しての、重要な資金提供と専門知識の提供を行っています。このプログラムでは500の低収入家計の家族が「貯蓄と修理」(Save & Repair)融資のための貯蓄に参加し、ハビタットと州立銀行がそれに見合う資金を提供しています。この資金は、既存の住宅を修理・改修するために使われるほか、場合によっては初めての持ち家を建てるのにも使われます。 |
| ・ | 2005年末、欧州委員会(European Commission)はハビタット・フォー・ヒューマニティが3年間かけてフィリピン、ミンダナオ(Mindanao)中南部において、6,000人の人々と住宅を建設・改修するための、100万ユーロ(約120万USドル)の資金の提供を承認しました。この地域は、過去20年間の間、中央政府といくつかの反政府グループの武力紛争の場となってきました。ハビタットの「平和のための建設」(Build for Peace)は、不安定なミンダナオにおいて平和と和解を促進するための、従来からのプロジェクトに直接基づいています。ハビタットは、キリスト教徒やムスリム、政府軍兵士、元反政府兵士たちがともに協力した、「ピース・ビルド」(Peace Builds)を通常のプログラムとして実施してきました。 |
| ・ | 太平洋地域においては、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・フィジーが、家族ではなく政府によって所有される2世帯住宅の建設を行うプロジェクトを、フィジーの住宅支援・救済基金(Housing Assistance and Relief Trust)とともに開始しました。ボランティアによって建てられるこの住宅は、低収入家計が住宅市場へアクセスする実用的な方法を提供すると同時に、従来のハビタットのプログラムの外側で考えることの重要性を考えさせます。 |
ハイライト
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日本の愛知県でのEXPO2005への参加を通じて、アジア太平洋地域におけるハビタット・フォー・ヒューマニティの最も意欲的な広報活動プログラムは、貧困住宅の問題やそれに対するハビタットの活動を大きく取り上げました。6ヶ月間の期間中に、日本の皇室の方々や政治家、芸能人や企業のリーダーたちを含む100,000人の訪問者が日本や世界から、いくつかのパートから成る、ハビタットの大きな展示ブースを訪れました。展示は重要な広報ツールとして機能し、またハビタットの海外での活動のためのボランティアを募集するのにも役立ちました。ダウケミカル社やスリーエム社、コストコ社やLG社など、以前からのハビタットのパートナーがこのブースを支えました。 |
| ・ | 11月、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・香港が、初の大きな公的イベントである資金集めのためのパーティーを行いました。「夢と現実」というテーマの下、香港のエリートや著名人が集まり、結果、新たなハビタットのサポーターやこの地域におけるハビタットのプログラムに対する530万香港ドル(約68万USドル)の寄付を得ました。 |
| ・ | こどもたちは、ほかの誰よりもハビタット住宅の恩恵を受けています。これはアジア太平洋地域オフィスが発行した2006年度こどもカレンダーに見られるとおりです。ハビタットのホームパートナーのこどもたちによって描かれた絵と、適切な家によってどのようにこどもたちの健康や教育、暮らしの機会が改善されたかを示す、住宅調査の結果が示されています。 |
| ・ | 毎年恒例の国連世界ハビタットデーを祝うため、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・タイはバンコク都心での野外展示に始めて参加し、貧困住宅に関する知識をひろめました。 |
受賞
| ・ | ハビタット・フォー・ヒューマニティ・オーストラリアとPMI抵当保険(PMI Mortgage Insurance)が、2005年度コミュニティ・ビジネス・パートナーシップでの功績による首相賞の受賞者に選ばれました。オーストラリアのジョン・ハワード(John Howard)首相によって授与されたこの賞は、ハビタットとPMIのプログラムが、2001年からオーストラリアの6家族が支援したことを評価したものでした。1万オーストラリア・ドル(7,500USドル)の賞金は、2006年末までに、さらに6軒の住宅を建てるプログラムの事業に使用されます。 |
ハビタット・リソース・センター
ハビタット・リソース・センター(HRC)は、アジア太平洋地域におけるハビタット・フォー・ヒューマニティの住宅建設プログラムの活動範囲を拡げます。リソース・センターには主に4種類のタイプがあります(ただし、複数に焦点をあてたセンターもあります)。
| ・ | HRC建設サービス:建設マネジメントと資材生産を行います。エンジニアと専門家がデザイン・建築のサービスや建設管理、ロジスティックス、調達・運搬に関する専門知識を提供します。また、ハビタット住宅のための建築資材の生産も行い、これらの資材は、ホームオーナーの雇用創出や収入向上のため、より大きな市場に向けて売り出すこともできます。 |
| ・ | HRCスキル・トレーニング:地元の建設作業者に対して、石工や木工、塗装やその他の建設実務についての伝統的アプローチやその他アプローチのトレーニングを行います。また地元の建設主任の知識を培い、住宅プロジェクト全体を計画し、実行できるようにします。 |
| ・ | HRC災害救援:パートナーと協力し、プロジェクト管理の知識や技術を提供します。 |
| ・ | HRC住宅マイクロ・ファイナンス:パートナーと協力し、大きなコミュニティ変革を支援するための住宅マイクロ・ファイナンスに関する専門知識を提供します。 |